この記事でわかること
  • 立ち上げを決めてから最初の48時間
  • サイト構築:Astro + Cloudflare Pages を選んだ理由
  • プライバシー設計:個人名を出さないルールの明文化

72時間でメディアをゼロから立ち上げた実装ログ

不動産業界でAI活用を伝えるためのメディアを、私たちは3日間でゼロから立ち上げました。本記事は、ドメイン取得・サイト構築・最初の記事公開・自動公開システムまで、その全工程を時系列の実装ログとして公開するものです。「メディアって立ち上げるのにどれだけかかるんだろう」と気になっている方や、自社で同じことをしてみたい不動産会社の方の参考になればと思います。

立ち上げを決めてから最初の48時間

最初の判断は「何のメディアにするか」でした。読者ターゲット、コンテンツの方向性、運営者の立ち位置。この3つを2時間ほどで決め、迷っていた競合名「不動産AIラボ」が大手スタートアップに既に使われていることが分かったので、現在の「不動産AIジャーナル」に方針転換しました。ブランド名の重複チェックは、ドメイン取得の前に必ずやるべき作業です。後から気付くと立ち上げが何日も遅れます。

次にドメイン取得。Cloudflare Registrar で原価販売の .com を年額約1,500円で確保。理由は、永続的な低コストとCloudflare Pagesでのホスティング統合が魅力だったためです。同じ作業を国内レジストラでやると、初年度は安くても更新時に値上がりすることが多く、長期で見ると数倍の差がつきます。

並行して、コンテンツ生成を担うAIエージェント「ハナコ」を設計しました。Pythonで7ファイル、SEO要件を自動チェックする仕組み込みで一気に組み上げ、5本の初期記事をその場で生成。1記事あたりのレビュー時間が約3分で済むレベルまで品質が上がっていたので、ここでメディア事業のGOサインを自分たちに出しました。

サイト構築:Astro + Cloudflare Pages を選んだ理由

サイト構築には、静的サイトジェネレーターの Astro を採用しました。理由は3つ。1つ目は、ハナコが出す Markdown(YAML frontmatter付き)をそのまま記事として認識できること。2つ目は、Content Collections という仕組みで frontmatter の型を TypeScript で定義できるため、SEO要件のミスがビルド時に検出できること。3つ目は、テンプレートが豊富でデザインの立ち上げが早いことです。

ホスティングは Cloudflare Pages。GitHub リポジトリと連携して、git push するだけで自動デプロイされる構成にしました。初期構築は1〜2時間で完了。デザインの調整に最も時間がかかり、最初は標準テーマのままで地味すぎたのでブランドカラー(紺×緑)を全面に出した日本語メディア風に作り直しました。読みやすさとブランド感は、初日からこだわった方が良いと改めて思いました。

プライバシー設計:個人名を出さないルールの明文化

公開メディアを運営する以上、個人情報の扱いには最初から線を引く必要があります。私たちは「個人名・経歴・プロフィール画像を一切出さない」というルールを、開発リポジトリの CLAUDE.md(指示書)に絶対ルールとして書き込みました。代表者名や監修者名も表に出さず、全て「不動産AIジャーナル編集部」「弊社」「Necto」に統一しています。

このルールはハナコの記事生成時にも自動適用されており、もし新しい記事の本文や画像に個人名が混入したら、機械的にチェックして弾く設計です。立ち上げ時にこのルールを決めておかないと、後から記事をひとつずつ修正する手間が発生します。プライバシー方針は最初の設計時点で決めるのが鉄則です。

自動公開システム:GitHub Actions で毎朝1本ずつ

最後に、メディアの継続運用を楽にするための自動公開システムを組みました。仕組みはシンプルで、記事は frontmatter に draft: true を入れた状態でリポジトリに溜めておきます。毎朝9時(日本時間)に GitHub Actions という仕組みが自動で動き、最も古い draft 記事を1本見つけて draft: false に切り替え、コミットして本番に反映します。Cloudflare Pages が変更を検知して自動再デプロイ、というのが朝起きてから30分以内に完了します。

これにより、編集担当が「今日も投稿しなきゃ」と毎朝サイトに触る必要がなくなりました。週末や旅行中でも、キューに記事が入っていれば毎日新着が公開されます。運用の継続性は、続けやすさで決まるというのが、複数のメディアを見てきた実感です。

立ち上げてみてわかった3つのこと

72時間でメディアを立ち上げて見えてきたことを3つ挙げます。1つ目は、技術選定で迷いすぎない方が良いということ。Astro でも Hugo でも Next.js でも、現代の静的サイトジェネレーターはどれもメディア用途には十分な性能です。完璧な選択肢を探すより、決めて動く方が早い

2つ目は、初期記事の質はある程度妥協してもいいということ。完璧主義で1記事に3日かけるより、5記事を3日で出して読者反応を見る方が学びが多いです。私たちもまだ読者ゼロからスタートしていますが、「出してみないと分からない」を優先しました。

3つ目は、自動化を最初から組み込むと運用が劇的に楽だということ。手動で1記事ずつ公開する設計だと、3日続けばマシな方です。毎朝自動で記事が出る仕組みを最初に作っておけば、編集担当は記事を書くことだけに集中できます。

まとめ

メディアの立ち上げは、思っているより短期間で実現できます。重要なのは、技術選定で時間を使いすぎないこと、プライバシー方針を最初に決めること、そして運用の自動化を初期設計に組み込むことです。私たちのこの立ち上げログが、不動産会社の方が自社で情報発信を始める時の参考になれば嬉しいです。「うちもメディアを持ちたい」というご相談も、運営元の Necto までお気軽にどうぞ。

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